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日々とおまじない

それでも書く

本当の楽しさ

高校1年生の10月。夏のコンクールと文化祭での演奏を終えると、アンサンブルコンテストの練習がはじまります。

なんだかんだでここまで続けちゃったけど、アンサンブルが終わったら退部しよう。本気でそう思ってたしそう決めてました。

ホルンを嫌いになったわけではありませんでしたが、吹奏楽をどうにも好きになれなかったし、部活を居場所にすることが出来なかったのです。

 

そうして始まったアンサンブル練習。

最初は正直全然パッとしなかった。いわゆる2軍的なチームだったし。無難に凌いで退部しようって思ってました。

 

実際に練習が始まった時。結構しんどかったというか、苦痛でした。いわゆる"声の大きい"同期のチームメイトの価値観に全然ついていけなくて、その子に対する苦手意識もありました。これもアンサンブル終わるまでの我慢と思ってやり過ごそうとしていました。

けれど、リーダー格の先輩が練習メニューをいろいろと組んでくれて、基礎練習を体系立ててやるようになってから、「これなら続けられるかもな」って思ったんです。元々そういうのが好きだったんですね。 

これが、私が吹奏楽部に馴染み始めたきっかけです。

 

この時選んだ曲は「てぃーちてぃーる」でした。

 

てぃーち・てぃーる/金管八重奏/酒田吹奏楽団 - YouTube

 

沖縄民謡をジャズアレンジにした、陽気に陽気を掛け合わせたような曲です。ホルンも結構美味しい曲です。笑

少しずつアンサンブルメンバーに親しんでいく中で、練習メニューの中に「曲に合わせて踊る」とか「歌ってみる」みたいなのを取り入れはじめた頃に、久々に「演奏楽しいな」って思えたんです。

 

コンクールでは金賞を受賞しました。

その頃には「退部しよう」って気持ちはほとんど無くなっていました。「まだ続けたいな」って気持ちが膨らんでいたのです。

 

1月にアンサンブルのコンクールを終えて、3月末の定期演奏会に向けて再び全体合奏の練習を始めたとき。

ちゃんと楽しめていたんです。自分より上手い人とも、オケとも、比較せずに。

小編成のアンサンブルを通じて、演奏することそれ自体の楽しさを再発見していたのです。

定期演奏会を終えた4月、やっと私は「吹奏楽部員」としてスタートすることが出来たのでした。

 
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9|ぱんぴのばんび

 

2年生になって、自分たちの代が部活を引っ張っていくようになりました。この時には、部活がすっかり自分の居場所になっていました。あんなに辞めたい辞めたいって言ってたのが嘘のようだと、当時も思っていました。

パートリーダーでしたが、自分より上手い人にソロや1st等を任せることを、躊躇わなくなっていました。自分より上手いという事実をちゃんと受け止めることが出来たのです。

 

そしてこの年の冬、ソロコンクールに挑戦しました。曲は「亡き王女のためのパヴァーヌ」。中二の時にもソロで挑んだ曲です。

中学校時代に固執していた自分に決着を付けたかったのです。そう決心ができるくらい、立ち直ることが出来たのです。

 

自ら願い出ましたが、同期の反応は正直渋かったです。やっぱり、自分はあんまり上手くなかったので。

それでもやるって言って、何とかがんばって練習して、それでも上手く吹けませんでした。たぶん、三年前より下手だった。ハイトーンが全然あたらなくて。結局、本番も上手くは吹けませんでした。銀賞でした。

 

あの頃みたいな絶対的な自信は、もう持っていなかったのです。音には自信がよく顕れるなぁと痛感しました。

上手く吹けないことへの恥ずかしさと、それでもやってよかったという満足感が同時にあって、自分がここまで折れてきたことに対して、嬉しいような悲しいような複雑な気持ちになりました。

そして、ふんわりと、「私はここまで変わってしまったんだな」という実感が湧いたのでした。

 
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そして、引退前の最後の演奏会である定期演奏会にて、顧問の意向で「亡き王女のためのパヴァーヌ」の吹奏楽編成版を演奏することになりました。ホルンソロもしっかりと用意されています。

このホルンソロの部分を、同期の3人で分担して演奏することになりました。私の演奏は、他の2人の演奏に比べて、お世辞にも上手いとは言えなかったと思います。でも、不思議と、それでもいいんだと思えたのです。ほんとは良くないけど。笑

良くないけど、いい。

3人それぞれのソロがそれぞれに個性的で、それだけでも、良かったなぁと思えたのです。

自分が上手くないことを、過度に卑下しなくなっていたのです。

 

定演ではパヴァーヌ以外にもたくさんの曲を演奏して、みんなで演奏会を創り上げていく時間が楽しくて、あっという間に終わってしまいました。お客さんもたくさん来てくれました。

ものすごく達成感があった。あの時、部活辞めちゃわなくて本当に本当に良かったと、心の底から思って感動した。

そして、それが私ひとりの力ではなく、辞めたかった時に相談に乗ってくれた友達や、アンサンブルチームとの出会いや、先輩・後輩・同期のお陰であることを、確かに実感できたのです。

 

そして部活を引退して3年生。受験生であり、高校生活最後の1年について、次の記事で書きます。