ライ麦畑でつかまえて 感想
ライ麦畑でつかまえての感想をスマホのメモ帳に書き留めてあったのですが、せっかくなので公開してみたいと思います。
自分用のメモなので読みづらいかもしれませんが、楽しんでいただければ幸いです。
ライ麦畑でつかまえて 感想
ホールデンは何か「本当のこと」や「大切なもの」を守ろうとしている男の子。
芝居が嫌いで、多くの人がそうだと信じて済ませているたくさんのことを信じられない。自分で真実だと思うものだけが真実で、他のものは全部嘘になるし、徹底的にどうでもよくなってしまう。
すごく純粋だけど、生きにくいだろうな。私は仲良くできないだろうなと思う。自分の大切なものしか大事にできないんだろうな。他人の大切なものは踏みにじってしまう。自分の大切なものや価値観がが傷つけられたら、手を挙げたり暴言を吐いたりする。
その上、周りの人達はその嘘の世界で生きているということをホールデンはよく理解していて、方便も上手に使う。心底嘘だと思って軽蔑しながら。
自分の理想を守りたいんだということを、ホールデンは自覚していない。それに、本当にそれらを守る力は持っていないし、そのための努力もしていない。ただ理想を追いかけるだけの子供だから。理想通りにならないと、駄々をこねる子供だから。
アントリーニ先生の言葉がとっても良かった。ホールデンの"理想"を"きわめて愚劣なもの"と言い切ったこと。
自分の価値観でしか生きられないのは私もそう。自分と重ねちゃったなぁ。自分の信じる真実で、相手を論破しようとしてしまったりするから。結局、私も私の望みを叶えられない。私も同じ穴の狢だ。
この小説が天気の子で出てくるの、なんか分かる。大切なもののためになりふり構ってない部分が掠ってる。
フィービーにお金を貰った時や、最後メリーゴーランドに乗るフィービーを見守っている時に泣いていたのは、フィービーだけが自分を必要としてくれたからかな。自分の帰る場所を見つけたからかな。自分の理想ばかり追い求めて根無し草で、孤独に堕ちていこうとしていたから。
結局最後に繋ぎ止めてくれたのは、アントリーニ先生みたいな否定しようのない正論ではなく、フィービーの愛だった。……こうまとめちゃうと、陳腐な感じがしちゃうけど。理由は無くても、最後まで相手を必要とし続けることは、愛だと思う。