日々とおまじない

それでも書く

ありがとう

5年ぶりの更新になってしまいました。

仕事に忙殺されて全く書くことが出来ませんでした。

「それでも書く」というサブタイトルにしといて本当によかった。続きを書きますね。

 

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がむしゃらに活動するうちに、サークル生活最後の定期演奏会がやってきました。

この定期演奏会で、3年生は引退することになります。

一生懸命準備して、一回だけ団長として団に喝を入れることもありました。

この「喝を入れる」だとか「叱る」ということは、相手への信頼が無いとできないことなのだと学びました。信頼関係が無いと、「これを言って嫌われたらどうしよう」という不安が募ってしまうから。

私は、この団の事をとても信頼していました。

 

夢のように楽しい定期演奏会でした。

私は、演奏会には魔法がかかると思っています。

ただサークルの練習室で合奏したり、ホールでリハーサルをするのとは違う、特別な魔法。ライトが当たって、全力でパフォーマンスをして、お客さんがいて、拍手が鳴り響くこの魔法は、なかなか得難い魔法です。

本当に、楽しくて楽しくて仕方ない、刹那の三時間でした。

 

定期演奏会が終わった後、団のみんなにお手紙を配りました。

私も、たくさんのお手紙をもらいました。

団長の仕事というのはあまりはっきりと決まっていなくて、「何かあった時に責任を取る」というものです。私は、自分ではあまり団のために働いた自覚はありませんでした。

ただ、この吹奏楽団の団員として、日々楽しくすごしただけで。もっと私の頭が回ったらできることはたくさんあったかもしれないけど、細やかな事しかできなかった。感謝されるようなことはしていないと思っていました。

それでも、たくさんの感謝の手紙を貰いました。身に余る光栄だと思いました。

 

その中で、副団長からもらった手紙に、こう書いてありました。

にには、「私がしっかりしなきゃ」とか「私なんかダメダメだ…」とか「もっとがんばらなきゃ…」って自分でも気づかない内に追い詰めてたりしたかもしれないけど、ににはとっても素敵な団長さんでした♡みんなのために頑張ってくれてありがとう。最後までやり遂げてくれてありがとう。団を好きでいてくれてありがとう。

 

私は、上に立つ人に必要なのはカリスマ性でも頭脳でもなくて、どれだけその団体が好きか、だと思うよ。ににが団のこと大好きでいてくれたから、みんなもににについてきてくれたんだと思うよ。

 

これを読んで、ボロボロ泣いてしまいました。

自分のこと、何にもできなかった団長だと思っていました。

でも、それでもいいと言葉を尽くしてくれた。一番近い役職の子が。

ダメでもいい。好きでいてくれたから。

私の出来なかった部分もそのまま受け止めながら、それでもいいよと言ってくれた。

本当に良い副団長に恵まれたなと思ったし、心が救われる思いでボロボロ泣きました。

 

定期演奏会が終わった翌々日の反省会。

演奏会の感想用紙には、たくさんの「素晴らしかった」というコメントが綴られていました。

その後、引退する3年生が一人ずつ「ありがとう」や「悔しかった」などのコメントを発表して、団長の私が最後の番でした。

その場を借りて私の事を話しました。私の「ありがとう」を伝えるために。

自分が嫌いだったこと。他人が怖かったこと。はじめは団に居場所をつくるためにたくさんの勇気が必要だったこと。みんなの音楽が救ってくれたこと。もう他人が怖くなくなったこと。みんなのお陰で、自分のことが好きになれそうなこと。

全部話しました。温かい拍手で応えてくれました。

大変ありがたい時間でした。